使用する検査機器


建築

機器の名称 水盛管
機器の使用目的 水平の確認や測定
機器の概要
建築に際し基準となる水平面を定めるために従来より使用されてきた機器で、2本のガラス管をホースで連結したもの。
両端のガラス管に水面がくるようにホースに注水し、両方の水面を結ぶ線が水平になることを利用して基準となる水平面を設定する。
透明なビニールホースのみを使用して簡易に行うこともできる。
最近は、センサーとブザーを備えた本体と組み合わせることにより、ホースを一人でも操作できるように工夫された製品もある。

水盛管の例
使用方法の概要
<外壁面への水平線の設定例>
両端のガラス管に各々水面がくるようにホースに注水する。できるだけ気泡が混入しないようにする。

ガラス管内の水面位置確認
ガラス管を上に向け、ホースの中の気泡を抜く。両方のガラス管そろえて、ガラス管内の水面が同位置(水平)であることを確認する。(ホース内に気泡が入り、ホース内の水が2分されると両端の水位が水平にならなくなる。)
一方のガラス管を、測定する壁面の端部(A点)にあて、もう一方のガラス管を壁面の他の端部(B点)にあてる。両方の水面の位置を壁面にマークする。マークする位置は、水面中央の低くなった部分とする。

水面位置を壁面にマーク
マークした両端の点を結ぶ直線が水平の基準線となり、この線と測定したい部分との距離を測ることにより、傾斜の程度等を測定する。
壁面の他の端部までホースが届かない場合には、適当な位置に中継点(C点)を設け、A点とC点、C点とB点で③のマークをする。B点をマークする時のC点の水面位置は、A点をマークした時と同位置とする。

中継点を設ける場合

<電子式の水盛管の例>
水盛管のホースに注水する。気泡が混入したら取り除く。
機器本体を、壁面の端部に固定する。
本体に表示されている基準矢印に合わせて壁面にマークする。
作業側ホースを、他の端部の下方から徐々に持ち上げて、ブザーが鳴り始めたら止めて、水面に合わせて壁面にマークする。
(以下、従来の水盛管と同様。)

電子式の水盛管の例
関連する不具合事象 「基礎の沈下」
備考
  • ホース内に気泡が入り、ホース内の水が2分されると両端の水位が水平にならないので注意する。
  • ホースは、気泡の有無の確認ができるよう、透明のものを使用する。
  • 水盛管には、不凍液が内蔵されているものもあり、現場での水が不要で、寒冷地でも使用できる。