使用する検査機器


設備

機器の名称 騒音計
機器の使用目的 給排水設備等の運転時・使用時発生音の測定
機器の概要
測定器は、JIS C 1509-1:2017「電気音響-サウンドレベルメータ(騒音計)」に規定されている騒音計を使用する。
※JISでは、性能によってクラス1及びクラス2の二つを規定する。一般に、クラス1及びクラス2のサウンドレベルメータは、通常同じ設計目標値をもち受容限度値が異なるほか、動作温度範囲が異なる。
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精密騒音計の例
使用方法の概要 JIS A 1429:2014「建築物の現場における給排水設備騒音の測定」(抜粋)
対象設備:水栓、シャワー室、浴室、流し台、便所、ポンプ、給湯器、気泡浴槽、ディスポーザ及び浄化槽
対象範囲:住居、ホテル、学校、事務所、病院など300㎡以下の部屋
測定手順:固定マイクロホンによる場合、室内で、壁、床、天井から0.7m以上離れた空間内に、互いに0.7m以上離れた3~5点の測定点を空間的に均等に分布させ測定する。
「建築物の現場における室内騒音の測定方法」(日本建築学会推奨基準)では、「壁から1m離れた、一様に分布する3~5点で、マイクロ音の高さは1.2~1.5m」とされている。
測定条件:水栓を対象とした測定では、水を水栓からシャワー室、浴室(浴槽)、又は流し台内に放出した状態で測定を行う。
排水時の測定では、水栓を閉じた状態で、排水栓を開け、浴槽、流し台などが空になるまでの間に測定する。
便所からの音は、水洗便器から排水するときの音と、貯水タンクに給水するときの音を作動が完了するまで測定する。
給湯器は、最大燃焼となった状態で30秒間程度を測定する。
気泡浴槽は、気泡を噴出する機能を起動し、定常状態になってから30秒間程度を測定する。
ディスポーザは、模擬ちゅうかい(厨芥)を投入し、機器の稼働と同時に推奨の吐出量で給水を開始し、模擬ちゅうかいが完全に搬出されるまでを測定する。(模擬ちゅうかいは、直径30~50mm程度のほぼ球体状の氷を使用する。)
浄化槽は、ブロアの起動から停止までの間を測定する。

<留意事項>
騒音計は対象音だけを選択して測定することは出来ないので、対象音の発生状況を耳で確認し、他の騒音の影響が無い、もしくは影響が小さい状態を測定する。
測定時間長:測定対象によって発生音の継続時間、レベル変動のサイクルが異なるので、等価騒音レベル測定の平均時間の設定には注意が必要である。
暗騒音:測定結果は、別に測定した暗騒音(同一測定点における対象音が無い状態の騒音)の数値により補正する場合も有るが、通常生じている暗騒音(24時間換気設備運転音等)は、居住性能として、暗騒音を含めた状態として評価する場合も有る。
関連する不具合事象 「設備からの騒音(機器運転時、使用時)」
備考 参考文献:給排水設備以外からの騒音測定方法には以下のものがある。
SHASE-S114-2011「空調機器騒音測定方法」((社)空気調和・衛生工学会)
JIS B 8310:2021「ポンプの騒音測定方法」
JIS B 8330:2000「送風機の試験及び検査方法」