補修方法編

外壁のひび割れ・欠損 ひび割れ改修工法(外壁部) G-2-501
木軸・木枠
工事概要

モルタル層のひび割れ部にU字形状の溝を設け、モルタル等(※1)を充填する工法。ひび割れからの漏水防止を目的とした工法である。



概要図(chord作成)
対応する不具合と原因 不具合
  • 外壁のひび割れ・欠損(G-2)
原因
  • 仕上材等の品質不良、施工不良
適用条件
  • ひび割れの原因が構造耐力に特段の支障を及ぼさないことまたは補修工事の実施等により除去されていることが、専門家の調査等により確認された場合に適用可能な方法である。
  • ひび割れの幅が0.2mm程度以上のひび割れに適用可能な方法である。(参考:参考文献1)
  • 補修により、美観上の問題が生じないことが確認された場合に限り適用する。
工事手順の例
1.足場の設置
該当部分に足場を設置し、足場設置後、除去時に発生する粉塵や仕上塗材が隣地に飛ばないように、その外回りに防塵シートを張る。
2.外壁の状況確認
ひび割れ、モルタルの付着度および浮きの状況を確認する。
3.既存塗膜の除去 以下の方法により既存塗膜を除去する。
雨樋、水切り、笠木等、外壁面に付属しているものがある場合は、一時撤去する。
コケや水あか等の汚れが発生している場合には、高圧水洗浄等により付着した汚れ等の除去を行う。
既存塗膜をサンダー、皮すき(ヘラ状のもの)等で除去する。
4.ひび割れ部分の補修(参考:参考文献2)
ひび割れ部分の断面は、ラスを切断しない程度の深さでU字形状の溝を設け、既存と同等のモルタル等をコテ圧をかけて空隙の無いように塗り付ける。
モルタル等の乾き具合を確認し、コテ、スクレーパー等を用いて表面をていねいに仕上げる。
5.仕上塗材仕上げ
乾燥養生後、既存の仕上塗材の色に合わせて出隅部、入隅部等見切りの良い範囲まで仕上塗材による表面仕上げ(薄付け仕上塗材(リシン等)、複層仕上塗材(吹付けタイル等))を行う。
6.外壁に付属していた部材の取り付け
雨どい、水切り、笠木等、外壁面に付属している部材を再度取り付ける。
7.足場の撤去
防塵シートを取り外し、足場の撤去を行う。
8.最終確認
工事の仕上がりを確認する。
片付け、清掃。
<ひび割れ部分> ひび割れ部分の断面は、ラスを切断しない程度の深さでU字形状の溝を設け既存と同等のモルタル等をコテ圧をかけて空隙の無いように塗り付ける。
工事手順の概要図(chord作成)
備考 (※1)モルタル等:既存モルタルと同等か同等以上のモルタルまたはJIS A6919(建築用下地調整塗材)に適合する下地調整塗材とする。(参考:参考文献2)

参考文献

書名[該当箇所](監修) 編著者 発行所
1 建築改修工事監理指針 令和4年版(上巻)[p407(4.3.7)](国土交通省大臣官房官庁営繕部) (一財)建築保全センター (一財)建築保全センター
2 外壁モルタル仕上げの改修マニュアル-木造住宅編-(平成18年10月)[p34,p35](NPO法人湿式仕上技術センター) 日本建築仕上材工業会 日本建築仕上材工業会