補修方法編

結露 床下防湿処置 W-3-602
木軸・木枠・S造
工事概要

床下に防湿フィルムを敷設又は防湿コンクリートを打込む。


床下防湿措置の例(chord作成)
対応する不具合と原因 不具合
  • 結露(W-3)
    <床面、内外壁の結露による内装材等のカビ、下地材の腐朽・蟻害等>
原因
  • 計画の配慮不足
適用条件
  • 作業のため全床下に入れる十分なスペースを確保できること。
  • 布基礎であること。
  • 床下に防湿フィルム又は防湿コンクリート等が施工されていないこと。
工事手順の例
(床下からの施工の場合)
1.事前調査
当事者からのヒアリングや現場での事前調査により、適用条件を満たしていることを確認する。
床下換気口および通風口が十分に確保されているかを確認する。
ねこ土台を使用している場合は、土台全周にわたって換気と通風が確保されていることを確認する。
2.床下への進入口の設置
全ての床下区画に入り作業ができるような床下点検口、基礎の人通孔がない場合は、作業用の開口を床に設ける。
3.床下全体の換気・乾燥
建物の外周の地盤面より床下の土面が50mm以上、立ち上がっていることを確認する。立ち上がっていない場合は乾燥した砂・砂利などを敷き込む。
土の表面から湿気がなくなる程度まで、温風器やファンを使って乾燥させる。
特に地盤の軟弱な部分がないよう砂利敷、突き固めまたは薬剤による硬化を行う。
シロアリ対応のため、木くず等があれば取り除く。

(防湿フィルム敷き込みの場合)
(参考:参考文献1)
4.防湿フィルムの敷き込み
ポリエチレンフィルム0.1mm以上とする。
継ぎ目は150mm程度以上重ねて、ずれないようにしっかり固定する。
基礎と取り合う部分の防湿フィルムは十分な高さの立ち上げを確保する。
5.ズレ止め
防湿フィルムが容易に動かないよう、乾燥した砂、砂利を敷く又はコンクリート押えとする。(参考:参考文献1)
作業の際はできるだけ防湿フィルムの上にのらずにすむよう養生、仮設をしておく。
6.床下への進入口の補修
十分乾燥させた後、床の作業用開口をふさぐ。
開口部は点検口として残しておけるよう配慮する。
  • 点検口も必要な断熱、防湿処置を講じる。
7.最終確認
工事全体の仕上がりを確認する。
片付け・清掃を行う。

■床下防湿フィルム敷き込みの例(引用:参考文献1 一部加筆)
■防湿フィルムの加工(床を清掃し踏みつけない。)(引用:参考文献2)
(防湿コンクリート打ちの場合)
(参考:参考文献1)
4’.砂利敷込み
コンクリート打設に先立ち、床下地面は盛土し、十分突き固める。(引用:参考文献1)
5’.コンクリートの打込み(60㎜以上)
コンクリートを打込む。
  • 無筋でよいが、できればメッシュを入れておく方がよい。
  • 既存換気口をふさがないよう厚み等は適宜調整する。
6’.床下への進入口の補修
充分乾燥させた後、床の作業用開口をふさぐ。
開口部は点検口として残しておけるよう配慮する。
  • 点検口も必要な断熱、防湿処置を講じる。
7’.最終確認
工事全体の仕上がりを確認する。
片付け・清掃を行う。


床下防湿コンクリート (引用:参考文献1一部加筆)
備考 施工上の注意点
  • 床下に資材を搬入するための進入口等を設ける場合、基礎に損傷を与えることがないように注意する。
  • 床下の設備配管等を傷めないように留意すること。また、横引管をコンクリートで埋め込むおそれのあるときは、できるだけ配管を敷設し直すことが望ましい。
  • コンクリートの打込みが、人力搬入による場合は、外部での練込スペース、搬入のための養生等が必要となる。
  • 防湿フィルムの敷き込みと防湿コンクリート打ちを併用する場合もある。

参考文献

書名[該当箇所](監修) 編著者 発行所
1 木造住宅工事仕様書 2021年版[p38(3.3.15),p49参考図3.3.15一部加筆, p52参考図3.4.2(A)一部加筆] (独)住宅金融支援機構 (株)井上書院
2 <防湿フィルムの加工の図>木造住宅工事
仕様書 平成22年改訂【旧版】[p130図7.4.3-1](住宅金融支援機構)
(財)住宅金融普及協会