補修方法編

床鳴り 下地合板の留付け直し F-3-101
木軸
工事概要

仕上材をはがして下地合板を留め付け直す。(*1)


下地合板張りの例(引用:参考文献2)
対応する不具合と原因 不具合
  • 床の傾斜(F-1)
  • 床のたわみ(F-2)
  • 床鳴り(F-3)
  • 床振動(V-1)
  • 内装仕上材のひび割れ、はがれ等(I-2)
原因
  • 仕上材、下地材等の選択不良、断面寸法等の不足、品質不良、保管・管理の不良、割付けの不良、留付けの不良、施工精度の不良、接合不良
適用条件
工事手順の例
(床先行施工の場合)
1.事前調査
現場調査により、根太以下の不具合がないことを確認する。
2.床材の撤去
仕上材・下地合板・壁ボード・幅木の施工状態を確認し、以下の順序で撤去する。ただし、壁先行施工の場合は撤去不要。
  • 幅木
  • 2段目胴縁以下のボード
  • 1段目胴縁
  • 仕上材(フローリングまたはビニル床シート)
既設フローリングが接着剤併用の場合は、残存した接着剤を除去し、残存接着剤等の不陸を修正する。
3.下地合板の留付け直し
仕上げの不具合部分を中心に、合板の留め付け状態を確認する。(釘ピッチ、合板の浮き、継手のすき間、目違い、きしみ音等)(*2)
木ビスで増し留めする。
全面に、浮き、きしみ等のないことを確認する。

(フローリングの場合)
4.フローリングの張付け
フローリングを釘打ちまたは接着剤併用釘打ちとする。
壁・幅木下地取付のため、壁際は50mm程度の見込みとする。
釘はフロア釘38mm 間隔150mm程度とする。
必要に応じて厚紙等で床を養生する。
5.壁・幅木の施工
壁際フローリングの上に胴縁を設け、間柱に釘留めとする。
せっこうボードを張る。継手はVカットとする。
幅木はフローリングに密着させ、接着剤併用釘打ちまたは両面接着剤張りとする。
ボード継手のパテ処理を行い、壁紙等で仕上げる。
6.最終確認
工事全体の仕上がりを確認する。
  • 不陸、汚れ、床のきしみ等がないことを確認する。
片付け・清掃を行う。
(ビニル床シートの場合)
4.ビニル床シート張り ビニル床シート(および既設接着剤)と適合した接着剤を選定し、手順に従って張り込む。
仮敷きは必要に応じて行うものとし、施工にあたっては、割り付けよく長めに切り、巻きぐせが取れ、十分伸縮するまで敷並べる。
本敷きおよび張付けは、次による。
  • はぎ目及び継目の位置は、各製造所の仕様による。
  • 施工に先立ち、下地面の清掃を十分に行ったのち、はぎ目、継目、出入口際および柱付きなどは、隙間のないように切り込みを行う。
  • 接着剤を下地全面に平均に塗布するとともに、必要に応じて仕上材裏面にも塗布し、不陸、目違いおよびたるみ等のないようベタ張りとする。
5.最終確認
工事全体の仕上がりを確認する。
  • 不陸、汚れ、床のきしみ等がないことを確認する。
片付け・清掃を行う。
備考
(*1)ここでは合板を下地に用いる工法を前提に記述している。根太に留め付ける工法としては、下地板のある工法(直張り工法)と下地板のない工法(根太張り工法)がある。(参考文献1)ここでは、直張り工法を示している。
(*2)防音室等の浮床工法の場合には、仕様を十分に調査したうえで床の留付け方法等を決める必要がある。

施工上の注意点
  • 接着剤等は施工中・施工後に有害物質の発散のできるだけ少ないものを使用するように配慮する。
  • 2階、3階の床に適用する場合には、建設住宅性能評価書を交付された住宅で該当する等級が2以上のものでは、補修する床の仕様は原則として品確法告示平13第1347号第5の1「構造の安定に関すること」の基準を満たすこと。

参考文献

書名[該当箇所](監修) 編著者 発行所
1 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和4年版
[p184(12章2節),p189(12章3節),p194(12章6節),
p342(19章2節),p354(19章5節)]
(国土交通省大臣官房官庁営繕部)
(一社)公共建築協会 (一社)公共建築協会
2 木造住宅工事仕様書 2021年版
[p158(8.1.2)、p159参考図8.1.2]
(独)住宅金融支援機構 (株)井上書院