補修方法編

勾配屋根の変形 むな木の交換 R-1-101
木軸
工事概要

屋根仕上材、下地材を撤去の上、むな木を交換し、下地材を再施工し、屋根仕上げを行う。


屋根の構成例(引用:参考文献1一部加筆)
対応する不具合と原因 不具合
  • 勾配屋根の変形(はがれ、ずれ、浮き)(R-1)
原因
  • 小屋組材の選択の不良、品質不良、断面寸法の不良、配置・支持間隔の不良、腐朽
適用条件
工事手順の例
1.事前調査
現場の調査により、むな木の不具合の程度、範囲を小屋裏より確認し、仮設規模を決定する。
2.足場の設置
補修当該部分の軒先部に足場を設置する。
3.当該部分の屋根材、下地材の撤去
雨樋を取り外す。
屋根仕上材、下ぶき材、野地板を取り外す。
木造R-1-601参照
4.むな木、たる木の交換 以下の手順でむな木を取り替える。
傷んでいるむな木廻りのたる木を取り外す。
むな木を取り替える。
取り除いた部分にむな木を新設する。
5.野地板の敷き込み、取付け 木造(共通)・S造R-1-601参照
6.下ぶき材の張替え
7.屋根仕上げぶき
8.雨どい取付け
9.最終確認
工事全体の仕上がりを確認する。
足場、養生シート等を撤去する。
片付け・清掃を行う。
備考 施工上の注意点
  • むな包み部からの漏水も少なからずあり、小屋組部材の中ではむな木の腐朽、あばれが比較的多く見られるため、確認する必要がある。
  • 建設住宅性能評価書を交付された住宅で該当する等級が2以上のものでは、交換したむな木は、原則として品確法告示平13第1347号第5の1「構造の安定に関すること」の基準を満たすこと。
  • 屋根断熱の場合は、その仕様に応じた補修を行う必要がある。

参考文献

書名[該当箇所](監修) 編著者 発行所
1 木造住宅構法 (第3版)[p50一部加筆] 坂本 功 (株)市ヶ谷出版社
2 構造用教材 改訂第3版[p17] (一社)日本建築学会 (一社)日本建築学会