基礎の沈下
アンダーピニング工法
K-1-704
RC造・S造
|
|
---|
|
|
- アンダーピニング工法は、圧入のための反力として建物荷重を利用するので圧入力に限度があるが、圧入時には圧力計により圧入力を読みとることが可能であり、載荷試験のように支持力の確認ができる利点(通常の載荷試験とは異なり完全なものではないが)がある。
- 施工は、ほぼ基礎下のみであり、設備配管等の盛替えにより、建物を平常通り使用しながらの施工も可能な場合がある。
- 工事実施後においても、定期的に沈下の進行状況を確認する。沈下の進行が認められる場合、補修方法を再検討する必要がある。
- ジャッキアップに伴い、外壁等にひび割れ等が生じた場合には、併せて補修する必要がある。
- 施工に際しては、以下の条件も重要である。
- 基礎下掘削用の進入口が確保できること。
- 圧入する鋼管を仮置きするスペースに配慮すること。
- 基礎下掘削時に地下水の大量な湧水が生じない地盤であること。
- 基礎に変形に伴うひび割れ等がないこと。
- 既設の基礎が擁壁等に近接している場合は、擁壁に影響を与えないように注意して補修すること。
- 鋼管を継ぎ足す場合、耐力低下が生じないような継ぎ手溶接を行い、鉛直精度を確保するような施工が必要である。
- 打ち止めは圧力計により支持力を確認すると共にリバウンド量を観測し適切に判断する。
- 鋼管はさびによる腐食しろを考慮する。(参考:参考文献5、参考文献6)
- 鋼管を杭として用いて杭頭を固定とする場合は、構造計算により杭、基礎梁等についての安全を確認すること。
(※1)流動化処理土は、土砂に大量の水を含む泥水(もしくは通常の水)と固化材を加 えて混練することにより流動化させた湿式土質安定処理土で、人手による締固めが 難しい狭隘な空間などに流し込む施工で隙間を充填し、固化後に発揮される強度と 高い密度により品質を確保する埋戻し材料である。(参考:参考文献2、参考文献 3、参考文献4)
|
---|
|
№ |
書名[該当箇所](監修) |
編著者 |
発行所 |
---|
1 |
建築技術1995年9月号[p54~62,98~99] |
田村昌仁・間瀬哲・大沢一実 |
(株)建築技術 |
2 |
建築工事監理指針 令和4年版(上巻)[p162](国土交通省大臣官房官庁営繕部) |
(一社)公共建築協会 |
(一社)公共建築協会 |
3 |
建築工事標準仕様書・同解説 JASS3 土工事および山留め工事・JASS4 杭および基礎工事(2022)[JASS4 5節] |
(一社)日本建築学会 |
(一社)日本建築学会 |
4 |
流動化処理土利用技術マニュアル(平成19年第2版) |
(独)土木研究所(株)流動化処理工法総合監理 |
技報堂出版(株) |
5 |
地震力に対する建築物の基礎の設計指針[p35](建設省住宅局建築指導課) |
建設省建築技術審査委員会・建築基礎検討小委員会 指針作成/日本建築センター編集 |
日本建築センター |
6 |
建築基礎構造設計指針(2019)[p423] |
(一社)日本建築学会 |
(一社)日本建築学会 |