補修方法編

基礎のひび割れ・欠損 打直し工法 K-2-403
S造
工事概要

豆板、コールドジョイント等基礎コンクリートの欠損部分や劣化した部分をはつり取り、コンクリートを打ち直す工法である。


工事概要図(chord作成)
対応する不具合と原因 不具合
  • 基礎のひび割れ、欠損(K-2)
  • 降雨による漏水(W-2)
原因
  • 基礎梁の配筋方法の不良(配筋位置のずれ等)
  • 床下換気口等、開口部補強等の補強筋の不良
  • コンクリートの打込み・締固め、養生不良
適用条件
  • 充填工法で処理できない大きな欠損部に適用する。
  • 打込みするコンクリートの強度は既存コンクリートと同等以上であること。
工事手順の例
1.事前調査
現場調査により適用条件を満たしていることを確認する。
ひび割れ・欠損の状況を確認し、工事計画を立てる。
2.仕上材等の撤去
仕上材等(外装仕上材)を撤去し、コンクリート表面を露出させる。(※1)
3.欠損部の清掃(参考:参考文献1)
基礎梁の表面仕上材を撤去する。
基礎梁周辺を根切る。
ぜい弱部をはつり取り、健全なコンクリート下地を出す
はつり取る際は、鉄筋を傷付けないよう慎重に行う。
鉄筋が露出している場合は、さびを除去し、防せい処理を施す。鉄筋の露出はないが、さび汁等で発せいが推測される場合は、コンクリートをはつり取って鉄筋を露出させ、さびを除去する。
4.型枠の組立
コンクリート投入口を設けた型枠を打込み部位に設ける。
5.コンクリートの打込み・締固め・養生(参考:参考文献2)
コンクリートの打込み・締固め
  • 打込み面を清掃、水湿しした上で、コンクリートを打込む。
  • 数量が多い場合は、生コンクリートを使用する。少ない場合は現場調合コンクリートを使用する。
②養生
  • 1週間以上コンクリートを養生する。(寒冷期においては、コンクリートを寒気から保護し、打込み後5日間以上はコンクリートを2℃以上に保つこと。)
6.型枠取り外し・埋戻し
コンクリート強度を確認し、型枠を解体・撤去する。
コンクリート打込み口の不要な突出部を斫り取り整形する。
埋戻しを行う。
7.仕上材等の復旧
撤去した仕上材等の復旧を行う。(※1)
8.最終確認
工事の仕上がりを確認する。
仮設・養生シートを取り外し、後片付け、清掃を行う。
備考
(※1)基礎の沈下修正工事と併用する場合は、工事内容が重複するので注意すること。
  • 本施工に伴い、給排水設備等の切断、再接続工事が発生する場合がある。

参考文献

書名[該当箇所](監修) 編著者 発行所
1 鉄筋コンクリート造建築物の耐久性向上技術
[p176~179](建設大臣官房技術調査室)
(財)国土開発技術研究センター
建築物耐久性向上技術普及委員会
技報堂出版(株)
2 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和4年版[p59~67](国土交通省大臣官房官庁営繕部) (一社)公共建築協会 (一社)公共建築協会