補修方法編

室内空気汚染 通気止め・気密層の設置 SK-1-005
木軸・木枠・RC造・S造
工事概要

天井裏等と居室の間に通気止めまたは気密層を設置する。

気密層および間仕切りの通気止めの
設置例(引用:参考文献1一部加筆)
対応する不具合と原因 不具合
  • 天井裏等からのホルムアルデヒドの居室への流入
原因
  • 通気止め・気密層による流入防止措置が不十分
  • 換気の不均一
適用条件
  • 住宅全体についての天井裏等の範囲を明確にしたうえで、天井裏等にホルムアルデヒドを発散する建材が使用されており、居室に流入するおそれがある場合に適用する。
工事手順の例
1.事前調査
住宅全体についての天井裏等の対策について確認する。
必要な箇所における通気止めまたは気密層の有無について確認する。
2.施工法の検討
施工材の選定
通気止めまたは気密層が必要な箇所について、工事計画を立てる。
通気止めまたは気密層に使用する建材を選定する。
必要に応じて足場を設置し、養生を行う。
3.仕上材・下地材の撤去
通気止めまたは気密層が必要な箇所(壁・天井など)の壁紙、ボード、下地材を撤去する。また接着剤が残存する場合、完全に除去する。
4.通気止め・気密層の設置
通気止めまたは気密層を設置する。
5.下地材・仕上材の施工
下地材、ボード、壁紙を張り、補修箇所を仕上げる。
接着剤を用いる場合には、ホルムアルデヒドを発散しないものまたは極めて発散量の少ないもの(F☆☆☆☆)を使用する。
6.最終確認
天井裏等から居室へのホルムアルデヒドの流入の有無について確認する。
足場、養生等の撤去を行う。
備考
  • ダクトを有する換気システムにおける「換気の不均一」の補修方法は、各構造共通SK-1-002(ダクトの増設)が参考となる。
  • 間仕切り以外の部位の通気止めの例を以下に示す。


    外壁の通気止めの設置例(引用:参考文献1)

施工上の注意点
  • 仕上材、下地材の交換と合わせて施工すると効率的である。
  • 接着剤等は施工中・施工後にホルムアルデヒドの発散のないもの、あるいはできるだけ少ないもの(F☆☆☆☆)を使用する。(「住宅づくりのためのシックハウス対策ノート」(シックハウス対策ノート編集委員会監修)参照)

参考文献

書名[該当箇所](監修) 編著者 発行所
1 温暖地版 自立循環型住宅への設計ガイドライン(国土交通省国土技術政策総合研究所・国立研究開発法人建築研究所)[p177図33一部加筆、p172図23] (一財)建築環境・省エネルギー機構