補修方法編

降雨による漏水 下ぶき材、雨押え包み板の再施工 W-1-408
S造
工事概要

屋根-壁の取り合い部分の下ぶき材、水切り鉄板(雨押え包み板)を立上がり寸法が十分確保できるように再施工する。


水上部分の雨押え(横ぶき)の例
(引用:参考文献2)
対応する不具合と原因 不具合
  • 降雨による漏水(W-1)
    <棟側外壁との取り合いの漏水>
原因
  • 屋根との取り合い不良
適用条件
  • 屋根勾配に適合した仕上材であること。
工事手順の例
1.事前調査
当事者からのヒアリングや現場の原因調査により、上記の適用条件を満たしていることを確認する。
2.立上がり壁側シーリングと周辺外壁材・屋根の一部撤去
必要に応じて足場を設置し、養生を行う。
外壁材は、新規の雨押さえ立上がり金物の高さ(150~300㎜)に合わせた幅で撤去する。
3.雨押え金物・下ぶき材の撤去
屋根材を傷めないよう、ていねいにはがす。
野地板等が腐朽している場合は、当該部の野地板も取替える。
4.下ぶき材張り
下ぶき材は下の方から順に上へ重ね張りしていく。
下ぶき材の重ね幅はメーカーの仕様寸法を確保する。
(5.屋根材かぶせ)
6.雨押え板・金属の施工

壁との取合部の納め(瓦棒ぶき)の例(引用:参考文献3)
7.立上がり側外壁面の施工(含む下ぶき材立上げ)
8.シーリング
立上がり壁上部はしっかり止水するが、雨押さえ金物下端は止メ釘頭のみシーリングとする。下端をシーリングすると、水が抜けなくなり、室内側へ漏水しやすい。
9.片付け、清掃
10.最終確認
降雨時に浸水がないことを確認する。
足場、養生等の撤去を行う。止水を確認するまで仮設は撤去しないことが望ましい。
備考
  • 下ぶき材の立上げや雨押さえ金物の立上げ寸法や納まりは、屋根仕上材、外壁仕上材によって異なるので注意が必要である。

参考文献

書名[該当箇所](監修) 編著者 発行所
1 木造住宅工事仕様書 2021年版[p142(6.8)] (独)住宅金融支援機構 (株)井上書院
2 鋼板製屋根構法標準SSR2007 改定2版[p246図5.9.5](独立行政法人建築研究所) 鋼板製屋根構法標準改定委員会 (社)日本金属屋根協会
3 性能別に考えるS造設計[構法・ディテール]選定マニュアル 最新版[p30(図18)] 大野隆司、近角真一、佐藤考一、(社)日本鋼構造協会 (社)エクスナレッジ