補修方法編

降雨による漏水 パラペットの水切り設置、防水層立上り部の再施工
(アスファルト防水)
W-1-303
RC造
工事概要

金属製笠木による水切り設置又は立上りコンクリートのあご下端に水切り目地を入れ、防水立上り端部に押え金物とシーリング材を施工する。


補修前のパラペット断面例
(引用:参考文献1一部加筆)
対応する不具合と原因 不具合
  • 降雨による漏水(W-1)
原因
  • 関連部位も防水処理不良
  • パラペットのあご下端の水切り不良
  • 防水層端部の納まり不良
適用条件
  • あごの出寸法が100mm以上ある場合は、コンクリートをはつり、水切り目地をつくる。
  • 100㎜以下の場合は、パラペット天端に金属製笠木をかぶせる。
工事手順の例
1.事前調査
当事者からのヒアリングや現場での原因調査により、適用条件を満たしていることを確認する。
2.水切り目地の設置又は金属製笠木の取付け
グラインドカッター等で20㎜程度の幅の切り込みを入れ、20㎜×15㎜程度の溝はつりを行ない、樹脂モルタル等で15㎜×10㎜角程度に水切り目地を形成する。
金属製笠木の場合は、笠木の下りをあごの下端より10㎜以上出すこと。
3.防水端部のシーリング材の施工
防水端部の押え金物等を再調整し、シーリング材を打ち直す。
  • 端部のシーリングは、隅部で途切れる部分まで打ち替えることが望ましい。
補修後の金属笠木
(chord作成)
補修後のコンクリート笠木
(chord作成)

パラペット断面例
4.最終確認
降水時に浸水のないことを確認する。
備考
  • 工事に伴う騒音(ドリル使用時)、臭気、振動、粉塵、降雨時における漏水、廃材の排出等が問題になる可能性があるため、工事の実施にあたっては、居住者に工事内容を十分に説明し、合意を得ることが重要である。

参考文献

書名[該当箇所](監修) 編著者 発行所
1 水にまつわるトラブルの事例・解決策<建築編>[p48] 「建築漏水」編集委員会 (株)学芸出版社